セミナーのご案内

トップページに戻る/Back to Top Page


2007年度理論コロキュウム/Theoretical Seminor for fiscal 2007

Title Quantum Brownian motion and the third Law of Thermodynamics
Lecturer Peter Hanggi氏(アウグスブルク大学教授)
Date 1月22日(火)午後3時
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract The quantum thermodynamic behavior of small systems is investigated in presence of finite quantum dissipation. We consider the archetype cases of a damped harmonic oscillator and a free quantum Brownian particle [1]. A main finding is that quantum dissipation helps to ensure the validity of the Third Law. For the quantum oscillator, finite damping replaces the zero-coupling result of an exponential suppression of the specific heat at low temperatures by a power-law behavior.

Rather intriguing is, however,  the behavior of the free quantum Brownian particle. In this case, quantum dissipation is able to restore the Third Law, which knowingly is violated classically: Instead of being constant down to zero temperature, the specific heat now vanishes proportional to temperature with an amplitude that is inversely proportional to the ohmic dissipation strength.

A distinct subtlety of finite quantum dissipation is the result that the various thermodynamic functions of the sub-system do not only depend on the dissipation strength but these depend as well on the prescription employed in their definition.

[1] P. Hanggi and G. L. Ingold
Quantum Brownian motion and the third law of thermodynamics
Acta Physica Polonica B 37, 1537-1550 (2006)


Title 非平衡揺らぎと非線形応答ー剛体球系における熱伝導ー
Lecturer 宮口 智成 氏 (北海道大学 VBL )
Date 1月4日(金)午後3時
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract まず揺らぎ定理から、揺らぎ定理と等価な、キュムラントに関 > する方程式系を導出する。さらに、この関係式から非線形応答公式(Andrieux and Gaspard, 2007)が容易に導出できることを示す。一方、こうした結果を用いて、2次元剛体球系における > 熱伝導を、数値的に詳しく解析した結果について報告する。具体的には、非線形応答領域で、累積熱流が上記のキュムラントに関する関係式を満たしていることを確認した。また、局所平衡と非線形応答との関係についての数値実験結果についてもお話する。


Title 接合戸田格子におけるソリトンの異常透過
Lecturer 小田垣孝 氏 (九州大学教授)
Date 12月25日(火)午後4時
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract 二つの戸田格子を線形バネで接合した1次元系では、線形バネ領域が戸 田ソリトンの透過に対して不純物として作用する。 その散乱過程を数値計算によって詳細に調べ、ソリトン及びバネ定数の 空間には、 ソリトンをほぼ完全に透過させる「共鳴透過領域」と透過に遅れをもた らす「遅延透過領域」が存在することを示す。


Title エンタングルメントのデコヒーレンスとその抑制
Lecturer 中原 幹夫 氏 (近畿大学理工学部教授)
Date 9月26日(水)午後4時
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract エンタングルメントは量子計算や量子情報処理を行なう 上で大変重要なリソースである.エンタングルメントが古典と 量子を区別するといっても過言ではない.本講演では,エン タングルメントをどう定量化するか,エンタングルメントが いかに環境と相互作用してデコヒーレンスを起こすか,また 連続的に短いパルスを印加してデコヒーレンスを抑制する 方法(Bang-bang制御),環境への散逸を強くしてエンタングル メントを維持する方法(Qauntum Wipe Effect)などを紹介する.



Title 大偏差統計とレベルダイナミクス
Lecturer 藤坂 博一 氏 (京都大学情報学研究科教授)
Date 8月10日(金)午前11時
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract 中心極限定理の拡張である大偏差統計は、平衡熱統計力学や多重フラク タルと 類似の数理的な構造を持っている。大偏差統計特性関数は、支配方程式 (基礎方程式)の時間発展演算子Hから決定される一般化発展演 算子H_qの 最大固有値で決定される。H_qは、観測演算子をVとする と、連続時間系では H_q=H+qV、カオス写像を含む離散時間系では、H_q=He^{qV}で与 えられる。 qは任意の実数である。[1,2]量子力学のレベルダイナミクス [3]に対応して、 qを仮想的な時間と見なすことにより、H_qの固有値や固有関数に 対する運動 方程式を導くことができる。[4]したがって、Hの固有値問 題が解ければ、 仮想時間に対する運動方程式を解くことにより、任意のqに対す る固有値等を 知ることができ、大偏差統計量を求めることができる。講演では、大偏差 統計におけるレベルダイナミクスに関するいくつかの話題について述べ る。

参考文献:
[1] H. Fujisaka and M. Inoue, Prog. Theor. Phys. 77 (1987) 1334.
[2] H. Fujisaka and M. Inoue, Phys. Rev. A 39 (1989) 1376.
[3] K. Nakamura and M. Lakshmanan, Phys. Rev. Lett. 57 (1986) 1661.
[4] H. Fujisaka and T. Yamada, Phys. Rev. E 75 (2007) 031116.


Title 生物系理論モデルにおけるカオスと統計則
Lecturer 相澤洋二氏 (早稲田大学理工学研究科教授)
Date 8月1日(水)午後4時
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract (I)「筋収縮分子機構に対するRefractory-Activation  モデル」および (II) 「マルチエージェント系の理論モデル」 の二つの解析結果を紹介する。  (I)の系では、不応期が果たす役割やカオスの発生が Hillの関係式に及ぼす効果について知られているが、ここでは システムサイズとアクトミオシン系の幾何学的パラメターが揺 らぎに及ぼす効果(幾何学的共鳴効果)の解析結果を詳しく紹 介する。  (II)は、マーケットのモデルとして提案したマルチエージ ェント系で、これまで経済変動の統計現象(断続平衡、クラス タリング、スケール則など)を再現することが知られている。 ここでは,価格変動に適用して、モデルを多成分相互作用に拡 張した場合、さらに連続変数への拡張や摂動への安定性など、 最近の進展を紹介する。



Title 今日の場の量子論と紐理論への道
Lecturer 糸山浩司氏(大阪市立大学教授)
Date 6月15日(金) 16:30
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract 湯川秀樹による量子論的粒子の交換に基づく力の伝達と いう 着想から始めて、歴史的に困難とされた場の量子論の紫外発散の 問題、これを回避するくりこみの処方箋とその現代的意義について 解説する。紫外発散の問題の解決策を与える紐(弦)理論の 基本的 考え方、近年のアイデア、現在の紐理論に残された課題について概観 する。近年の場の量子論、紐理論に不可欠とされる超対称性について も述べたい。


Title Decoherence in classically chaotic systems: a semiclassical approach
Lecturer Prof. Rodolfo Jalabert (Universite Louis Pasteur, France)
Date 4月6日(金)午後 1 時30分
Room 大阪市立大学工学部 A棟2階学情交流 センターセミナー室
Abstract We study the decoherence of a one-particle system, whose classical correspondent is chaotic, when it evolves coupled to a weak quenched environment. This is done through the Loschmidt echo (i.e., the revival of a localized density excitation upon reversal of its time evolution), in the presence of a perturbation. For a certain regime of parameters, the Loschmidt echo decays exponentially with a rate given by the Lyapunov exponent of the underlying classically chaotic system, and therefore independent of the perturbation strength. We develop a semiclassical theory allowing to establish and characterize the universality of this Lyapunov regime. We present numerical results in a Lorentz gas model, and in a few other systems, supporting these results. Finally, by elaborating a semiclassical approximation to the Wigner function, we are able to distinguish between classical and quantum origin for the different terms of the LE.


Title Aharonov-Casher効果のもとでのRKKY相互作用 と近藤効果
Lecturer 青野友祐氏 (Ben-Gurion University, Israel )
Date 4月2日(月)午後 4 時30分
Room 大阪市立大学工学部 B棟4階B-401
Abstract スピン軌道相互作用に引き起こされる干渉効果であ るAharonov-Casher(AC)効果のもとでの2つの磁性不純物 間のRKKY相互作用について議論する。磁場によ るAharonov-Bohm(AB)効果とAC効果の共存する場合には、 等方的なHeisenberg相互作用から異方的なIsing 型の相互作用を含むRKKY相互作用になる。このRKKY相 互作用と近藤効果との競合によるtwo-impurity模型にお けるスピン状態の制御やスピン電流について議論す る。


問い合わせ先:数理工学講座 杉田 歩
For details, please contact to Ayumu Sugita

大阪市立大学へのアクセス/Access to Osaka City University



2007年度特別講義

大学院集中講義: 物質応用特論


講師: 小田垣孝先生(九州大学教授)

日程: 12月25日(火)  26日(水) 27日(木)  28日(金)      
     初日は午前10時開始

場所:  大阪市立大学工学部  B棟 B-401
     

講義内容:
不規則系、複雑ネットワーク、非平衡系の物理的性質について、基本的 な考え方と最新の成果を述べ、 不規則系における輸送現象、静的構造を特徴づける新しい概念、 非平衡系における相転移などに対する理論的枠組みを身につける。

[授業内容・授業計画]
1. 不規則系における輸送現象
 -局在した物理量に対する線形応答
 -境界摂動と自己平均性の破れ
 -量子系における境界摂動
 -拡散する粒子上の拡散

2. パーコレーション -多分散性の効果
 -分散させた回転楕円体のパーコレーション
 -伝染病伝播におけるスパースプレッダの効果

3. 複雑ネットワーク -ネットワークの分類
 -同期現象 -連想記憶

4. ソリトンの散乱
 -光ソリトン
 -戸田ソリトン

5. 社会物理学
 -様々な社会の構造
 -平均場近似による解析

6. ガラス転移の統計力学
 -自由エネルギーランドスケープによる統一描像


応用物理学特別講義(学部集中講義2単位)


講師: 中原幹夫先生(近畿大学理工学部教授)

日程: 9月26日(水)  27日(木)  28日(金)   29日(土)
     初日は午前10時30分開始

場所:
26日、29日: 大阪市立大学工学部  B棟 B-401
27日、28日:      同         A棟2階交流センター・セミナー室
     

講義内容:
0と1を情報の単位とする古典情報理論に対し,0と1を表すベク トルを情報の単位とする量子情報理論は,ベクトルの重ね合わせやエンタングル した状態を利用できるため,古典情報処理では不可能な処理を行うことができ る.本講義では量子情報処理および量子計算の基本的な概念を解説した後,量子 暗号鍵配布,量子テレポーテーションなどの応用を解説する.また古典アルゴリ ズムを凌駕する量子アルゴリズムの簡単な例をあげた後,データベースサーチア ルゴリズムと素因数分解アルゴリズムを紹介する.時間があればそれらを実現す るいくつかの物理系を紹介する.テキストは講義中に配布する.


大学院 物理物性系講義科目「応用数理特論」

講師: 相澤洋二先生(早稲田大学理工学研究科)

タイトル: 非線形動力学と非平衡統計力学

場所: 大阪市立大学工学部 B棟B-401

日程: 7月30日(月)午後2コマ(午後1時開始)
    7月31日(火)午前1コマ、午後2コマ
    8月1日(水)午前1コマ、午後1コマ+コロキューム
    8月2日(木)午前1コマ
内容:
保存系のカオスを中心にカオスの基礎理論および最近の無限エルゴード性に関する結果を講義する。非線形複雑系への2,3の試み(コロキウムのテーマも含め)についても時間の許す範囲で紹介する: ハミルトン系の非可積分性、エルゴード定理、KAM定理とネコロシェフ定理、カオス散乱と大自由度系のカオス、長時間揺らぎの統計法則、コンプレックスダイナミクスの試みなど.

成績評価: 出席とレポート 単位(区分): 2単位






トップページに戻る/Back to Top Page