セミナーのご案内

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2005年度理論コロキュウム/Theoretical Seminor for fiscal 2005

  
Title 非平衡状態における強磁性マグノンの緩和過程
Lecturer 味野道信氏(岡山大学 理学部物理学科)
Date 1月 17日(火) 午後3時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 強磁性体であるイットリウム・鉄・ガーネットを、大電力マイクロ波で非線形励 起した場合に観測されるマグノン系の緩和現象に関する実験を紹介する。非平衡 状態では、マグノン間の非線形相互作用により、周期的あるいはカオス的自励発 振が観測される事はよく知られている。これらの現象が発生する閾値は、二つ以 上のマグノンモードを同時励起することにより制御できる事などを示す。

  
Title 結晶成長・沈殿に伴う自己組織化パターン(リーゼガングリング)
Lecturer 甲斐昌一氏(九州大学大学院工学研究院教授)
Date 12月 27日(火) 午後4時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 過飽和溶液から沈殿する結晶群が、特殊な周期的あるいは非周期的パターン を形成することが、地質学、化学、生物学などでしばしば観測される。これを リーゼガング現象と呼ぶ。これは反応と拡散に見られる非線形効果に起因した もので、そのメカニズムを述べるとともに類似現象の紹介を行う。

  
Title 溶液NMR量子コンピュータの作り方
Lecturer 近藤康氏 (近畿大学)
Date 12月 6日(火)午後4時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 溶液NMR量子コンピュータの実験を行うための基礎について説明する。 具体的に議論を行うために、量子計算を実施するに当たって必要な 最小限のスピン(2スピン)を含む分子を例にハミルトニアンを 基に議論を行う。内容としては、
(1)1量子ビット演算
(2)2量子ビット演算
(3)擬純粋状態と非ユニタリー変換
(4)量子計算の具体例(ドイチ・ジョサのアルゴリズム)
を予定している。

  
Title QUANTUM CHAOS AT FINITE TEMPERATURE AND IN RELATIVISTIC SYSTEMS
Lecturer Davronbek Matrasulov氏(ウズベキスタン科学アカデミー 熱物理学研究所先端科学研究部長)
Date 11月 8日(火)午後4時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract We describe recent approach to the treatment of quantum chaos at finite temperature. The approach is based on the application of a real-time finite- temperature quantum field theory, thermofield dynamics, to the study of quantum chaos with account of finite-temperature effects. The approach is applied to coupling nonlinear oscillators and Yang-Mills--Higgs system. Also, we will present recent results on the extension of quantum kicked rotor problem to the relativistic case. Some new effects are obtained in this study.

  
Title 線形応答論の変分原理
Lecturer 中野藤生氏(名古屋大学名誉教授)
Date 10月21日(金)午後3時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 電気伝導度の公式(線形応答論のプロトタイプとして)が変分原理に基づいて導かれ る。フォン・ノイマン方程式に律せられる力学的段階の変分原理は、情報の削減によ ってボルツマン方程式に律せられる運動論的段階の変分原理に転化される。この転化 に際して不可逆性が現れることは可逆性-不可逆性パラドクス解釈の一助となるだろ う。換言すれば、これらの変分原理は巨視的体系の運動段階の進展もしくは観察の精 粗度に伴って現れる力学的段階、運動論的段階、流体力学的段階の出現に対応するの である。


  
Title 真空に刻むメモリー
Lecturer 萱沼洋輔氏(大阪府立大学)
Date 10月7日(金)午後4時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract フェムト秒パルスを用いた時間分解分光の発展により、物質の励起状態におけるフォ ノン波束の運動が実時間で観測されるようになった。超高速分光にはポンプ・プロー ブ分光と時間分解発光分光の2通りがあるが、同一の物質について、両者は異なる時 間波形のシグナルを与えることが多い。これはポンプ・プローブでは励起状態だけで なく、基底状態(フォノンの真空)の変化をも見てしまうことによる。講演では、最 近の超高速時間分解分光実験の紹介とともに、基底状態のmodulationを用いた分子メ モリーの可能性について論じる。


  
Title 時間相関および大偏差統計量の新しい展開法
Lecturer 藤坂博一氏(京都大学情報学研究科)
Date 9月27日(火)午後4時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 確率過程やカオス力学系の時間相関関数を基礎方程式から導く、時間発展 演算子の固有値問題による扱いは、実用的ではない。固有値問題を 解かずに、時間相関関数を導く方法に連分数展開があるが、連分数展開 は、非自然な時間発展をする物理量を対象にするために展開係数の 計算は極めて煩雑であり、多数極の近似は困難である。 本講演では、確率過程およびカオス力学系における時間相関関数および 大偏差統計量を、連分数展開の方法を改良することにより低次の モーメントで決定する効率的な新しい方法を提案する。いくつかの例を 用いて本方法の有効性を検証する。 文献:H. Fujisaka, Prog. Theor. Phys. vol. 114, 1 (2005)

  
Title Fighting quantum decoherence with symmetries
Lecturer Dr. Paolo Zanardi (Institute: Institute for Scientific Interchange (ISI) Foundation, Italy)
Date 8月23日(火)午後4時30分
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract Defending coherence of a quantum processing device against the environmental interactions is a vital goal for any foreseeable practical application of Quantum Information and Quantum Computation theory. I will show how a suitable use of the symmetries -present from the outset or dynamically enacted- of the system-environment interactions may allow one to single-out sectors of the quantum state-space that are largely immune to noise. These latter, known as decoherence-free subspaces or noiseless subsystems, then represent ideal places where quantum information can be stored and manipulated in a safe way without resorting to expensive active error-correction techniques.


  
Title 経済市場の統計物理学にむけて:マルチエージェント系の統計法則
Lecturer 相澤洋二氏(早稲田大学理工学研究科)
Date 7月26日(火)午後4時
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract スピン系をベースにした市場モデル(Ponzi & Aizawa,2000)の統計法則を 従来の経験則と比較して議論する.

  
Title 熱伝導現象をめぐる歴史と最近の話題
Lecturer 齋藤圭司氏(東京大学理学研究科)
Date 6月17日(金)午後4時〜
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract フーリエの法則に代表される熱伝導現象は、非平衡熱力学の 成立条件はなにか?という基礎的問題として大昔から研究が なされてきている。講演ではその問題をめぐっての、これまで の重要な仕事をまずレビューする。これまでの研究によって、 どのようなときフーリエの法則が成立ち、どのようなとき成り 立たないかの粗筋はできたと言える。 またこのようなアカデミックな研究の一方で、異常な弾道的 熱輸送など、興味深い現象が実験で観測されている。このよ うな背景のもとに、絶縁体において実験的に検証可能な 興味深い熱現象も取り上げていきたい。


  
Title 量子系の揺動定理とミクロな可逆性
Lecturer 門内隆明氏(早稲田大学理工学研究科)
Date 6月10日(金)午後4時〜
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 古典Markov系において平衡分布がカノニカル分布で与えられ、かつ外界による駆動が ない場合平衡分布が保たれると時間順過程での状態間遷移確率の積と逆過程での積の 比についてmicroscopic reversibility condition (MRC)が成立する。 FluctuationTheorem(FT)はこの条件から導かれる。一方、量子系で同じ議論を用い ると、時間発展の途中で何度も観測を行うことになり系のdynamicsに影響してしま う。そこで古典に近いLangevin系のFTをMRCから調べる。また、観測を一回で済ませ るFTの定式化も紹介する予定。



Title カオス=カオス転移における二つの特異性
Lecturer 水口 毅氏 ( 大阪府立大学大学院工学研究科 )
Date 5月24日(火)午後4時〜
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract あるクラスの対称性を持つ系において、対称性の破れ/回復を伴う カオス=カオス転移に着目し、転移点付近での二種類の特異性について 一次元共鳴外力系の局在構造の動的挙動を例に報告する.


  
Title シンプレクティック クラスに属する量子細線における電気伝導
Lecturer 高根美武氏 ( 広島大学大学院先端物質科学研究科 )
Date 5月17日(火)午後4時〜
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 乱れた量子細線における電気伝導の振る舞いを考える際には, ハミルトニアンの対称性がとても重要です. 通常の量子細線は「時間反転対称性」と「スピン回転対称性」の有無に 応じて三つの普遍クラス(Orthogonal class,Unitary class,Symplectic class) の何れかに分類され,各クラスはそれ特有の振る舞いを示すことが知られています. 最近,ランダム行列理論[1,2]および超行列理論[3],数値計算[4]を用いた 研究により,Symplectic class の振る舞いは伝導チャネル数の偶奇性に強く 依存することが明らかになりました. 例えば,奇数チャネルの場合にはアンダーソン局在が消失します. 従って,Symplectic class は二つのサブクラスに再分割すべきでしょう. このような Symplectic class の特異な振る舞いについてお話しする予定です.
[1] Y. Takane: J. Phys. Soc. Jpn. 73 (2004) 9.
[2] H. Sakai and Y. Takane: J. Phys. Soc. Jpn. 74 (2005) in press.
[3] Y. Takane: J. Phys. Soc. Jpn. 73 (2004) 1430.
[4] Y. Takane: J. Phys. Soc. Jpn. 73 (2004) 2366.


  
Title 結晶微斜面の普遍的振る舞いと吸着子によるサーマル・ステップ・バンチ ング
Lecturer 阿久津典子氏(大阪電気通信大学 電子材料工学科)
Date 4月19日(火)午後4時〜
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 特異面(低指数面)のラフニング転移温度以下での平衡状態において, スムースな特異面から僅かに傾いた面は微斜面(vicinal surface) と呼ばれ,ステップ間にエントロピー反発力を持つ平行ステップ列に より形成される.このステップ列を線状素励起の多体系とみなすと 1次元自由フェルミオン普遍的クラスに属することが示される. この微斜面の普遍的な振る舞いについて手短に説明した後, 被覆率が1原子層以下の吸着子が存在した場合,ステップの凝集, すなわち(サーマル)ステップ・バンチングが発生する機構を説明する.


  
Title 量子XXZ鎖におけるsl(2) ループ代数の対称性
Lecturer 出口哲生氏(お茶の水女子大学 物理学科)
Date 4月15日(金)午後5時〜
Room 大阪市立大学工学部応用物理学科B-401会議室
Abstract 1次元量子XXZ鎖における異方性変数ΔをΔ=(q+1/q)/2 と表すとき、変数qが 1の冪根の場合に、量子XXZ鎖のハミルトニアンはsl(2) ループ代数の対称性を 持つことが明らかになった。[1] ここで量子XXZ鎖は周期的境界条件を満たし、 有限の長さの1次元格子上で定義されるものとする。ループ代数は非可換かつ無 限個の生成子を持つため、非常に多数の縮退固有状態が生じる。実際、縮退度が 鎖長の指数関数で増加するような準位縮退も導かれる。ごく最近、ベーテ仮説固 有状態から導かれる縮退固有空間の次元を厳密に求める方法が、数学的に証明さ れた。[2] このような最近の発展が分かりやすく解説される。
[1] T. Deguchi, K. Fabricius and B. M. McCoy, The sl(2) loop algebra symmetry of the six-vertex model at roots of unity, J. Stat. Phys. Vol. 102 (2001) 701-736.
[2] T. Deguchi, XXZ Bethe states as highest weight vectors of the sl(2) loop algebra at roots of unity, cond-mat/0503564.


問い合わせ先:数理工学講座 杉田 歩
For details, please contact to Ayumu Sugita

大阪市立大学へのアクセス/Access to Osaka City University

2005年度特別講義

   大学院集中講義(物質応用特論)

講師: 甲斐 昌一 先生 (九州大学大学院工学研究科教授)

場所: 大阪市立大学工学部 B棟B-401

日程: 12月26日〜29日 (4日間)、初日は午後1時開始

内容:

非平衡状態にある物質中に現れるパターン形成の物理学を学ぶ。非平衡熱力学の初歩 から始め、その応用として非平衡散逸構造の熱力学と非線形動力学を理解する。それ らの具体例として、生物を含め物質に現れる時空構造はどのような機構で生まれ、そ れがどのような機能や役割を果たしているかを理解することを目標にする。 授業内容・授業計画: 簡単な熱力学から非平衡とは何かを知り、そこに生まれる様々な構造の例、例えば熱 対流、液晶の電気対流、ベローゾフジャボチンスキー化学反応構造を始め生物に現れ る時間的空間的構造を示す。これらの具体的な例を背景に、引き込み現象や散逸構造 形成を導く各種のモデル、オレゴネータ、チューリングモデル、ジャボチンスキ−化 学反応構造を始め生物に現れる時間的空間的構造を示す。これらの具体的な例を背景 に、引き込みファンデアポ−ル方程式、フィッツヒュ−南雲ナビエスト−クス方程式 などの物理的解釈とパタ−ン形成現象の理解を深めるように講義する。


   大学院特別講義(情報通信系科目)

講師: 萱沼洋輔先生(大阪府立大学教授)

場所: 大阪市立大学工学部 B棟B-401

日程: 10月6日、7日 (2日間)、初日は午前10時開始

内容:

非断熱遷移を利用した量子制御:量子コンピュータや単電子素子など 将来の量子デバイスの実現に向けて、効率の良い電子波のコヒーレント制御の方法を 探索することは 重要な課題である。また、強い非共鳴レーザー光を用いて電子系をグローバルに制御 する研究も始まっている。 本講義では、まず外場によって駆動された電子系の動力学 および輸送現象を非断熱遷移の立場から明確にし、つぎに、この原理に基づく量子 ドット列の電子輸送やqubit操作の新原理の可能性について説明する。


  

学部応用物理学特別講義(前期科目)

講師: 藤坂博一先生(京都大学情報学研究科教授)

場所: 大阪市立大学工学部 B棟B-401

日程: 9月26日、27日、29日(3日間)、 初日は午後1時開始

内容:

[科目の主題と目標]  非平衡状態でみられるマクロな空間的時間的な散逸構造の基本的な概念を理解し、 数理的な解析方法の基礎を掌握させることを目標とする。具体的な到達目標課題を以 下に記す。
(到達目標課題)
(1) 動的相転移の発生機構について述べ、結合振動子系における引き込み現象の発生 機構と間欠性のメカニズムを理解させる。
(2) 熱対流系と非線形化学反応系を例にして、散逸構造の形成過程とそれを記述する ための振幅方程式について理解させる。
(3) 非平衡系で観測される大きなゆらぎを解析するための大偏差統計の処理方法に習 熟させる。多重フラクタル変動と乱流の基礎を理解させる。

[授業内容・授業計画]
題目 <<熱平衡から非平衡へ>>
内容  
物理的確率過程1  
物理的確率過程2  
散逸力学系1  
散逸力学系2  
固定点と周期解の安定性  
周期磁場下のイジングモデル  
散逸構造1  
散逸構造2  
散逸構造3  
結合振動子系の動力学1  
結合振動子系の動力学2  
乱流の統計理論  
質議と応答


  

大学院物理物性系講義科目
「応用数理特論」(カ オスの理論と非平衡統計力学)

講師: 相澤洋二先生(早稲田大学理工学研究科教授)

場所: 大阪市立大学工学部 B棟B-401

日程: 7月25日〜27日(3日間)

内容:

非線形系の熱力学、揺らぎ理論、散逸構造論、および巨視的ゆらぎとして発生するカオスの理論(力学系理論、エルゴード理論)を講義する。
非線形非平衡系では、微視的ゆらぎが自律的に増幅抑制されることによって、著しい散逸構造が生み出される。時間秩序、空間秩序、機能秩序、統計的秩序などに分類される散逸構造の物理と数理を論じるとともに、最近の研究から具体的な話題を拾い出して概説する。また、本講義は最近広い分野で注目されている<複雑系研究>への方法論的基礎を与えることも、もうひとつの目標としている。





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